小樽市の脳神経外科|医療法人小樽セントラルクリニック
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緑の多い明るい待合室のソファで、高齢の父と成人の息子が並んで座り話している水彩画

物忘れ外来って何をするの? 受診前に知っておきたいこと

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「最近、物忘れが増えた気がする」その不安、抱え込まないで

「同じ話を何度もしてしまう」「家族の顔は分かるのに名前が出てこない」。 こうした変化に気づくと、ご本人もご家族も不安になります。 「物忘れ外来」という言葉は耳にしても、何をされるのか分からず受診をためらう方も少なくありません。 この記事では、初めての方に向けて、物忘れ外来で行われることを分かりやすくご紹介します。

この記事でわかること

  • 物忘れ外来で行う検査や診察の流れ
  • ご家族が同伴することの大切さ
  • 受診前に準備しておくとスムーズなこと

物忘れ外来は「認知症かどうか」を一緒に整理する場

物忘れ外来は、認知症の診断だけを目的とした場所ではありません。 主な役割は次の3つです。

  1. 認知症かどうか、どのタイプか、どの程度進んでいるかを総合的に評価する
  2. 治療で改善が見込める原因が隠れていないか確認する
  3. MCI(軽度認知障害、認知症の前段階)の段階で気づき、進行を遅らせる工夫を一緒に考える

特に2つ目は重要です。 甲状腺機能低下症、ビタミンB12や葉酸の不足、慢性硬膜下血腫(頭の中にゆっくり血がたまる病気)、正常圧水頭症(脳の周りの水が増える病気)、うつ病など、適切に対応すれば認知機能の改善が期待できる病気もあります。 「年のせい」と決めつけてしまうと、こうした原因を見落とすおそれがあります。

受診の一般的な流れ

医療機関により多少異なりますが、おおむね次のように進みます。

1. 問診 ご本人とご家族から、いつ頃から、どんな場面で困りごとが出てきたかを伺います。 既往歴、服用中のお薬、ご家族の病歴も大切な情報です。

2. 神経学的診察 歩き方、手足の動き、反射などを確認します。

3. 神経心理検査 MMSE(30点満点で記憶や見当識を簡単に測る検査)やHDS-R(日本でよく使われる長谷川式の認知機能検査)、時計描画テストなどを行います。 必要に応じてMoCA-J(MCIの発見に役立つ少し詳しい検査)も用いられます。

4. 血液検査 甲状腺機能、ビタミンB12、葉酸、肝臓・腎臓の働きなどを調べます。

5. 頭部画像検査 MRI(強い磁石を使った画像検査)で脳の萎縮や血管の状態を評価します。 状況によりCT、SPECT、アミロイドPETなどが追加される場合もあります(高次医療機関で実施されることがあります)。

6. 結果説明と方針相談 検査結果がそろうまで数週間かかることもあります。 結果に基づいて、お薬や生活習慣、介護保険サービスの利用などを一緒に考えていきます。

ご家族の同伴をおすすめする理由

物忘れ外来では、ご家族の同伴をぜひお願いしたいところです。 ご本人は変化に気づきにくく、診察室では受け答えがしっかりして見えることもあります(取り繕い反応と呼ばれます)。 一方でご家族は、日常の細かな変化を一番近くで見ています。 「いつ頃から」「どんな場面で困っているか」「以前と何が変わったか」というご家族からの情報が、診断の大きな手がかりになります。

受診前に準備しておくと役立つもの

  • 健康保険証、お薬手帳
  • 紹介状(かかりつけ医がある場合)
  • これまでの健診結果や画像のコピー
  • ご家族がメモした「最近気になる出来事」
  • 緊急時の連絡先メモ

特に「気になる出来事メモ」は、思い出した順で構いません。 「数か月前から鍋を焦がすことが増えた」「最近、いつもの道で迷うことがあった」など、具体的に書き留めておくと役立ちます。

診断後の選択肢はひとつではない

認知症と診断された場合も、選択肢は複数あります。 お薬としては、コリンエステラーゼ阻害薬やメマンチンが知られています。 また、適応や施設要件を満たす場合に抗アミロイドβ抗体薬が用いられることもあります。 非薬物療法として、認知リハビリ、運動、社会参加の継続も大切とされています。 さらに介護保険の申請や、地域包括支援センターへの相談など、生活を支える仕組みも活用できます。

逆に「認知症ではなかった」と分かることにも大きな意味があります。 不安が和らぎ、別の治療可能な原因に気づけることもあります。

受診を考えるタイミング

「年のせい」で片付けず、ご本人やご家族が違和感を覚えたら、それが受診のサインです。 特に次のような場合は、早めの相談が望まれます。

  • 数週〜数か月の短期間で急速に進む物忘れ
  • 頭を打った後に始まった認知機能の変化
  • 歩きにくさや尿失禁を伴う物忘れ
  • 強い気分の落ち込みを伴う場合

当院でのサポート

当院では「頭痛・物忘れ相談外来」として、物忘れに関するご相談をお受けしています。 ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も歓迎しています。 認知症については認知症の診療について、ご家族の関わり方はご家族の方へもあわせてご覧ください。 「受診すべきか迷っている」段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

まとめ

物忘れ外来は、不安を整理し、これからの選択肢を一緒に考える場所です。 気になる変化があれば、ご家族と一緒に一度ご相談ください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療については医師の診察をお受けください。