夏になると「なんとなく頭が重い」「だるくて頭痛がする」と感じる方が増えます。実はその頭痛、熱中症の初期サインかもしれません。
北海道・小樽でも近年は気温が急上昇する日が増えました。短い夏だからと油断せず、体からのサインに早めに気づくことが大切です。本記事では、熱中症と頭痛の関係をやさしく解説します。
この記事でわかること
- 熱中症による頭痛の特徴と、ほかの頭痛との違い
- 「すぐ119番」が必要な危険サイン
- 高齢者がご家庭でできる予防と対策
熱中症の頭痛はなぜ起きるのか
体温が上がりすぎたり、汗で水分・塩分が失われたりすると、脳の血流や水分バランスが乱れます。これが頭痛の原因になると考えられています。
日本神経学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」でも、脱水や熱中症は二次性頭痛(ほかの病気が原因の頭痛)の一つに位置づけられています。
熱中症の頭痛の特徴
熱中症の頭痛は、片頭痛のようにズキンズキンと脈打つ感じではありません。次のような訴えが多くみられます。
- 頭が重い、締めつけられる感じ
- 後頭部からじわじわ広がる
- めまい、立ちくらみを伴う
- 吐き気や食欲のなさを伴う
「水分を摂って涼しい場所で休んだら少し楽になった」ような場合は、熱中症が関係している可能性があります。
熱中症の重症度を知っておきましょう
日本救急医学会の熱中症診療ガイドラインでは、症状の重さを3段階に分けています。
- I度(軽症): めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、大量の汗
- II度(中等症): 頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感、集中力の低下
- III度(重症): 意識障害、けいれん、高い体温、肝臓や腎臓の働きの低下
頭痛が出てくるのは主にII度からです。頭痛は「もう軽症ではない」というサインと考えてください。
こんなときは迷わず119番
次のような様子が見られたら、ためらわず救急車を呼びましょう。
- 呼びかけへの反応がにぶい、ぼんやりしている
- けいれんが起きている
- 体温が40℃以上ある
- 汗が出ず、皮膚が乾いて熱い
- 自分で水を飲めない、嘔吐をくり返す
「迷ったら119」で構いません。判断に迷う場合は#7119(救急安心センター事業)に電話する方法もあります。
高齢の方が特に注意したい理由
熱中症で救急搬送される方の半数以上は、65歳以上と報告されています。高齢者には次のような特徴があるためです。
- 喉のかわきを感じにくくなる
- 体に蓄えられる水分量が若い頃より少ない
- 暑さやのぼせを自覚しにくい
- 利尿薬や降圧薬を服用していると脱水になりやすい
また、熱中症は屋外だけでなく室内でも多く発生します。北海道はエアコンが設置されていないご家庭も少なくありません。「うちは大丈夫」と思わず、扇風機の併用や日中の窓開けを工夫してください。
ご家庭でできる予防
完全に防ぐ方法はありませんが、次の習慣でリスクを下げられると報告されています。
- 喉がかわく前に水分を摂る: 1回コップ1杯を1日6〜8回が目安
- 塩分も少量補う: 経口補水液やみそ汁、梅干しなど
- 室温は28℃を目安に: WBGT(暑さ指数)28以上は厳重警戒の目安とされています
- 外出は朝夕の涼しい時間に: 真昼の長時間外出は避ける
- 声かけと見守り: ご家族・ご近所での確認が室内熱中症を防ぐ鍵です
ご本人が「大丈夫」と言っていても、肌が乾いていないか、尿の回数が減っていないかを周囲が気にかけてあげてください。
当院でのサポート
頭痛が長引く、夏場にくり返すなど気になる症状がある場合は、当院の頭痛・物忘れ相談外来でご相談いただけます。 頭痛の種類や検査については頭痛の診療についてもご覧ください。熱中症だけでなく、ほかの原因が隠れていないかを脳神経外科の視点で確認します。
まとめ
夏の頭痛は「ただの疲れ」と片づけず、熱中症のサインかもしれないと考えてみてください。意識がぼんやりするなど危険なサインがあるときは、ためらわず119番にご相談ください。気になる症状が続く場合は、お近くの医療機関にお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療については医師の診察をお受けください。